その理由は一概には言えませんが、大企業などの買い手が本社移転や新工場建設のために不動産購入を検討しているという事実が、メディアや競合他社に漏れないようにするためというケースもあります。CAやNDAを提出した事実そのものが秘密事項で、売主や取引に関わった不動産仲介会社は、CAやNDAに記載された秘密事項の内容を含めて他人に漏洩してはいけません。しかしながら、現実的には、それらの秘密事項が守られる保証はありません。
また、買主候補が提出したCAやNDAを、他の買主候補との交渉材料の一つとして利用されることを防ぐ目的も想定されます。例えば、売主側や買主側の不動産仲介会社が、CAの原本を預かった時に、その原本を複写して他の買主候補との交渉時にその写しを利用する可能性はあります。