東京都の人気の住宅街にある、かなり建物が古かったですが、敷地が広くて、生活するためにはとても良い環境の区分マンションが、競売不動産として裁判所から公示されました。「ヴィンテージ」と呼ばれる魅力ある物件でした。
この物件は、裁判所から公示された時点では所有者ではない第三者の借主が居住中でした。借主は高齢で、お一人は外国籍の方もいらっしゃいました。どうやら、所有者が無理に借主との賃貸借契約を破棄して、立ち退きをさせようとしていたようで、弁護士を交えた法的問題が発生していました。
そのような情報と、落札者はこの借主を強制的に立ち退いてもらう権利がないことについて、裁判所が公開した資料に記載されていました。そのため、入札者の数は多くなかったために、落札者は格安で落札できました。その後、落札者は借主と英語での会話も交えて真摯に向き合って相談し、代わりの住まいとして、競売不動産の敷地内にあり、もっと広い部屋にリーズナブルな賃料で引っ越して頂くことを承諾していただきました。競売不動産の入居者とはできる限り温かい心をもって接していくべきであることを示した、良い落札事例の一つとなりました。